仕事と旅と時々ゴルフ

日々、感じたことをつづる日記です

はじめての屋久島(3)

屋久島滞在4日目。
今日はJRホテル屋久島をチェックアウトして、いわさきホテルへ向かいます。期せずして、JRホテルのお部屋からいわさきホテルの立地を確認できたのですが、山の上に一軒だけのそびえ立つのがいわさきホテル。景色が楽しみでなりません。

口コミで、山側がよいとの評判だったので、予約時に備考欄に山側希望と添えてみました。どうなるかな?

yakushima.iwasakihotels.com

 

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山の上にひときわ際立って見える白い建物、これがいわさきホテルです。 

 

11時にチェックアウトし、向かったのは屋久島自然館。沖縄とも奄美とも違う、この島の成り立ちを少しでも学ぼうと思います。

 

屋久島町立 屋久杉自然館

 

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エントランスには、屋久杉を切り出して運ぶトロッコの姿がお出迎え。

 

まず目に付いたのが、こちらの新聞記事。そう、昨日ガイドさんから聞いていた、「縄文杉」の名前の由来となった記事です。この見出しがきっかけで、「大岩杉」が「屋久杉」と呼ばれるに至りました。そして、この縄文杉を発見した本人は、自分の祖父からその存在を聞いていたそうです。ただ、祖父自身も語り継がれていただけで、自身はその存在を見たことはなかったそう。孫である彼が、自分亡きあとにこの杉を発見したことを、天国からどんな気持ちで見守ったことでしょうか。

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写真では伝わりませんが、この記事は5mはあろうかという大きな看板です。

 

自然館には屋久島の歴史や島の人々の暮らしが、映像や展示でわかりやすく解説されています。特に、当時の様子を伝える映像資料(NHKだったかな?)では、トロッコに乗って週末に街に繰り出す集落の人々、当時、子供時代を過ごした人々のインタビューなどが映し出されています。また、泊如竹(とまりじょちく)という江戸時代に活躍した儒学者が、当時島津家につかえ、屋久杉の一般利用を始めたと言われているのですが、苦しい島の生活を支えた重要人物の半生も学ぶことができます。

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屋久島は花崗岩が隆起してできた島でお米ができない土地。江戸時代は米の代わりに、杉を年貢として納めたそうです(写真)。これを助言したのも、如竹さんです。

屋久杉は、豊臣秀吉が京都に建立した仏殿(大阪城の築城ともいわれる)の資材として注目を集めて以来、島の財政難を救うために木材としての利用が始まりました。薩摩藩の支配、森林の国有化により伐採の最盛期を迎え、海外の安い輸入木材に押され国有林事業が縮小。1970年頃には伐採禁止となり、自然を保護する現在の流れとなります。2016年、林野庁が森の中に眠る倒木、土埋木(どまいぼく)の搬出・木材の生産終了を宣言。一つの時代が幕を閉じました。

屋久島が世界遺産に登録された理由の一つに、人々が共存しながらも、大半の自然が手付かずで残っていることが挙げられています。時代に翻弄されながらも、島とともに暮らす人々の、森への畏敬の念に思い至るのでした。

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余談ですが、知り合いにたまたま島津さんという人がいます。彼は薩摩藩・島津家の遠縁という話を聞いてびっくり!私は母方が沖縄出身で、琉球もまた、屋久島とともに薩摩藩の侵攻を受けているためでした。だからってどうなる話ではないのですが、こういった歴史背景がまた、旅の味わいを深めてくれるのでした。(20代の頃、2年ほどかけて、沖縄で自分のルーツをたどる旅をしたのですが、その時の話もいつか書いてみようと思います)

 

はてさて、ノスタルジーに浸ってはいても、腹は減るわけで、事前調査していたお店の一つ、近くにある「カフェスマイリー」にてランチタイム。安房川のほとりにある、手作りのぬくもり漂う素敵なカフェです。

cafe-smiley.info

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ランチの後は、30分ほどの山道をひたすら登ってヤクスギランドへ。当初、自然館の裏手のトレッキング道を歩こうかと考えていましたが、こっちにして大正解!標高1000-1300mほどの場所に位置するこの森は、舗装されたトレッキングルートがあり、30分、50分、80分、150分と時間と体力に合わせたコースが用意されています。

縄文杉への登山・トレッキングは結構命がけ(大げさ)だったので、周りの景色や苔に注目する余裕がほとんどなかったのです。家族連れや体力に自信のない人は、こちらでも十分、屋久島の豊かな自然を味わうことができます。

私たちは50分コースを進みました。そうそう、16時半には入場口が閉まってしまうので、気をつけてください。

y-rekumori.com

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縄文杉へのトレッキングに負けずとも劣らず、素晴らしい自然を満喫できます。

 

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倒木から新たに芽ぶく苔たち。小さな命が見えますか?

 

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トレッキングルートは自然のあるがままに。倒木の隙間をぬってとおります。

 

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くぐりすぎ、という名前がついてます。くぐる杉はほかにもありました。

 

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自然をひとしきり満喫し、いざホテルへ。噂通り、山の眺めが美しいホテルです。

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吹き抜けの高いロビーからは、山が一望できます。

 

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廊下からのビューはこんな感じ。

 

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外観はこちら。大きすぎて、写真に収まりません。

そして、お部屋は希望どおり山側へ。景観はこちら。

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壮大な自然の姿、写真ではなかなか伝わらないかもですね。

 

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夕食は海側で夕陽を眺めながらいただきます。

楽しい時間はあっと言う間。明日が旅の最終日です。