仕事と旅と時々ゴルフ

日々、感じたことをつづる日記です

私の常識はあなたの非常識?転職を通じて見えてきた、価値観の違い(1)

昨日のエントリーで大企業とベンチャー(役所含む)の環境の違いを書いていたら、いろいろなエピソードを思い出しました。今日はそれらエピソードのうち、常識を疑うとはこのことだな、と思ったものをいくつかご紹介したいと思います。

なお、これらはいずれが良い・悪いというものではなく、無論、組織が大きくなれば官僚的にならざるを得ない部分もあるわけで、個人的な一つの意見としてご覧いただけたら嬉しいです。

書き始めたらエピソードが多すぎて一度に収まらなかったので、次の回(ネタに困った回)で書いてみようと思います。

 

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オフィス近くの虎ノ門ヒルズ、時々ランチに行きます

 

<今までの経歴>
・行政機関(広報)
・大手建機メーカー(広報)
・(家族の海外転勤に伴い、米国在住)
・大手電機メーカー(広報)
・大手サービス(広報) *ちなみに、ここで離婚
ベンチャー(広報かと思いきや、IPO準備)
ベンチャー(広報)

 

以下、振り返るとしみじみ感じる、価値観や考え方の違いについてご紹介します。

 

<会議の進め方>
・設定(目的決め)
・スケジューリング
・事前準備
・会議当日
・会議後

 

組織によって違うなあと思う個人的なポイントとして、どこまでが「身内」で、どこからを「外」と見るか、という点があります。ベンチャー企業では一定の礼儀は必要としつつも、社長以下を一つの身内として捉えますが、組織が大きくなれば、部門=身内、部外=外と見る向きが強くなる気がしています。これはつまり、身内以外の人に対して、どこまでの礼節が求められるかに関わってくるのですが、さらに言うと、これがそのまま、文化の単位になっていくような印象を持っています。

 

例えば、今いるベンチャー企業では、とりあえず毎週定例のmtgをセットしておいて、アジェンダはぼんやりとだけ決める、なんなら「今日何話すんだっけ?」というノリです。みんな、割と簡単に他の予定をブッキングするので、ふたを開けてみたらメンバーが誰もいなくてmtgがスキップ、なんてことが頻発。入社当時はだいぶ困惑しました。そんなわけなので、事前の準備もよほどのことがなければすることはなく、アイデアはその場でホワイトボードに書いて具現化すると行った具合です。「会議の後ろに道ができる」感じですね。

他方、大企業では、まずそもそも、なぜその会議を開く必要があるのか、そこで何を議論し、ゴールとするのか、その場合、メンバーはなぜその人たちなのか、合議先(議論の参加者ではないが、情報共有だけはしておく必要がある先)は、開催頻度は・・などと行った具合に、会議を開く目的がまず、議論されます。「会議をするために道を敷設工事する」感じです。

ある大手企業では、定例mtgアジェンダを必ず事前にメンバーに共有し、出欠を取り、配布資料も必ず数日前までに共有します。資料は、参加者全員が目を通したことを前提として会議が進みます。当日も、席次(順番にミスは許されない)、ネームプレート、マイク、レコーダー、タイマー(発言者が多数の場合)、飲み物、TV会議中継先の準備(システム子会社へ事前予約・要テスト)など入念な準備を行い、司会者(役職者)が議事進行します。

会議後の議事録共有も当日ないしは翌日に共有し、FBを得ます。ここで議論したことが、その会議としての決定事実になるので、認識の齟齬がないかを各部門が議論し、最終議事録を印刷、ファイリング(インデックスを貼付)して終わるという流れです。

なお、スケジューリングに関してはまとまった特徴は捉えきれていないのですが、サービス業にいたときは、自分のカレンダーが基本公開されていて、勝手にmtgが入る仕組み。気づくと自分の作業をする時間がない、なんてことにならないよう、「ブロック」という予定を入れておかねばなりません。他方、メーカーでは人の予定に勝手に予定を入れることはまずなく(特に部門外)、事前に書面で告知したりしていました。ベンチャーは前述の、勝手にmtgが入ってくる方式です。依頼する側からすると、相手の時間帯がわかる方が圧倒的に便利。効率なのか礼節なのか、身内と外、といったところでしょうか。

 

<ランチタイムの過ごし方>
・ランチをするメンツ(誰のグループに所属しているか)
・ランチを取れる時間帯

 

人によってはどうでもいいことかもしれませんが、ランチタイムを快適に過ごせるかは私にとっては大切なテーマです(笑)。大きな組織ほど、派閥問題があったりするので、ランチする相手の見極めを誤ると、ちょっと面倒なことに巻き込まれたりします。女性陣はうわさ話が大好きなので(男性もですかね)、どこの派閥に属するか、またそれを表明するかは大事です。ベンチャーはその点、すごく楽。誰と過ごそうが勝手です。

 

ランチを取れる時間帯について、メーカーは特に、一律で労働管理する工場の文化を本社管理部門も踏襲していることが多いため、ランチタイムは12:00-12:45というところが多いです。(お盆休みを一斉にとるのも、工場のラインを止めるという、生産現場に与える影響を最小限に止めるための思想です)そのため、12時のチャイムが鳴ると、皆一斉に食堂に駆け込みます。食堂が7階にあった場合、8階と6階の人はかなり有利!食堂からはみ出た長蛇の列が、階段にまで及ぶ、これがランチタイムの風物詩です。

丸の内OLをしていた頃はメーカー勤務で、ランチライムは前述の時間帯、食堂はなし。丸の内といえば国内外の観光客も多く、この時間帯は混雑するため、45分でランチを終えるのは至難の技です。そのため、会社が手配してくれるお弁当(予約制)を利用していました。役所も基本、時間は決まっています。

他方、サービス業やベンチャーでは、業務の進捗に応じて適宜とってOKというルール。混んでいるランチの時間帯を避けることが可能です。サービス業に転職したとき、実は、これには相当驚きました。人気店にはちょっと早めに並んで入る、などという夢のランチタイムが過ごせるのですから。

 

<採用面接と宿題>
・面接日程にリクエストなどできない
・入社後の宿題(自社のSWOT分析

 

売り手市場か買い手市場か、という話につながるかもしれませんが、ある大手企業の採用面接では、面接の候補日を指定されたことがありました。指定された日が決算説明会の前日とかなり厳しい日取り。なるべく転職先の都合に合わせるのが筋とは思いつつも、人事に問い合わせたところ、「この日を逃すとだいぶ先になります&その際、そのポストが残っている保証はありません」という回答でした。結論、日程の調整もできて(決算発表前日ともなると、だいたい準備が整っている)、採用面接にも行けて、合格・入社したわけですが、企業のスタンスというのがこういうところに出るなあと思いました。無論、大手企業の役員の方々は多忙を極めるので、致し方ないかもしれません。

他方、ベンチャーの場合は社長との面談も含め、人事・面接官が柔軟に対応してくれ、大変ありがたかったです。

 

入社後のお題としてSWOT分析をあげているのは、大企業の傾向というよりは、個人的に印象に残っている体験です。入社一週間後くらいの日程で、自社をSWOT分析した結果をプレゼンするというもの。部長以下チームの前で、とてもとても、分析とは言い難いお粗末なプレゼンをしました・・。苦手なものは早めに開示しておくとお互いやりやすいので、ある意味では良かったのですが、人生のトップ10くらいには入るピンチの局面だったでしょうか。独特の視点があって面白かったなど、温かい(むしろ慰めの)FBをいただき、一人撃沈。「こんな私を雇ってくれてありがとう、頑張ります!」と思いました。

 

<コミュニケーション方法>
・メールベース
・電話と対面
・チャットツール

 

これに関しては、ベンチャーである今が一番やりやすく、理にかなっていると感じます。日頃のカジュアルなコミュニケーションはチャットツール(当社はslack)を使って、チャンネルごとにやりとりするというもの。体験してみて初めてわかったのですが、同じ文字のコミュニケーションでも、メールとチャットだと、取りかかる上での心理的コストが全然違います。

「あれどうなってる?」「これ送っとくね」みたいなことも、メールだと最低限、「標記の件、先般はXXXを進めるということで合意したと記憶していますが、その後の進捗はいかがでしょうか?お手すきのときにご回答いただけますと幸いです。」「標記の件、先般ご所望されていた当該資料を、添付にてお送りいたします。ご査収ください。万が一、ファイルが開けないなどのことがあれば、お知らせください。」くらいのトーンの違いがあるのではと思います(大げさですかね?)。

とはいえ、人間は易きに流れるもの。私もつい、ツールの便利さにかまけてコミュニケーションをおろそかにしてしまいます。相手の顔色を見て緊急度や深刻度を測ったり、「さっき、slackで資料送っておきましたからね!」くらいの声かけはしなくては、と時々反省しています。

 

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他に思いつくこととして、稟議の回し方、他部署との調整の仕方、業務を進める上での方針、報酬に対する考え方、飲み会のお作法など(きっとまだ、何かあるはず・・)を次回以降、書いてみようかなと思います。

 

国が変われば言語が変わるように、組織が変わればルールが変わる。ルールが変われば、そこで働く人たちのマインドも変わり、そのマインドこそが、風土や文化を創るのかもしれません。

 

本日は(も)長々とお付き合いくださり、ありがとうございました!