仕事と旅と時々ゴルフ

日々、感じたことをつづる日記です

私の常識はあなたの非常識?転職を通じて見えてきた、価値観の違い(2)

先日書いたこちらの記事の続きです。転職を通じて感じた「常識」の危うさについて、記憶が掘り起こされているうちに、他のエピソードもご紹介しようと思います。

 

なお、繰り返しになりますが、いずれが良い・悪いというものではなく、経験を通じて感じた個人的な意見の一つです!

 

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イルミネーションがきらきらと。綺麗で素敵な街、丸の内

 

 <今までの経歴>
・行政機関(広報)
・大手建機メーカー(広報)
・(家族の海転勤に伴い、米国在住)
・大手電機メーカー(広報)
・大手サービス(広報) *ちなみに、ここで離婚
ベンチャー(広報かと思いきや、IPO準備)
ベンチャー(広報)

 

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<稟議>
・稟議は専用の表紙をつけて(判子リレー)
・電子稟議システム

 

これは役所で顕著なのですが(といっても、同じ中央省庁といっても組織によってシステムが違うので、他はわかりません)、私がいた当時は、稟議専用の表紙がありました。この枠組みに、表題や稟議先、内容説明などの文章が適切な余白をもって印刷されるよう、既にワードデータ(古くは一太郎)が設計されており、それに必要項目を記入して、差込印刷で出力します。(稟議の種類で赤枠の表紙と青枠のそれがあった気がしますが、何の違いだったか思い出せず・・気になる)

これ、慣れるまでは上下反対とか裏面などに印刷したりして、結構手間がかかります&用紙を無駄にします。万が一、稟議をあげている途中で差し戻され、表紙の内容を修正する場合、結構大変。回覧先も多いと数十箇所必要なので、すべての判子リレーのやり直しは非現実的です。些細な修正なら、カッターで印刷文字を削り、手書きで修正を加えました。あ、もちろん、最終権限を持った人のところには、正式な文書が届くので、改ざんではありません、悪しからず。

大企業では、最近では電子決裁システムを取り入れているところも増えてますかね。私の経験では、稟議書をワードデータなどで作成して必要資料を添付しつつ、稟議を電子的に回すケースや、そもそもの稟議全体をシステムで行う(Salesforceなど)ケースもあります。

電子決済の良いところは、起案の手間が楽なのと、トレースがしやすいことがあります。紙の稟議だと、書類の山に埋もれたり、行方不明になること数知れず。急いでいるときは持ち回りますが、通常は上司に回したあとは適宜、流れていきます。現在地の把握ができないので、下っ端の私はいつも、稟議を探して走り回っていました。

 

<業務を進める上での方針>
・前例踏襲
・前例を踏襲しつつ、改善
・前例にはあまり興味がない

 

役所の仕事は前例踏襲!(元気よく言い切ります!笑)従来のやり方を変えることはリスクにしかならないからです。役所はだいたい2-3年で異動するので、在任期間中に滞りなく物事が進むことが最優先。リスクを取って何かに挑戦するモチベーションもなければ、そういう土壌も育ちません。

大企業は確実に、前回のやり方を見直して改善します。個人的にはこのやり方が、積み上がる感じがあって好きでした。

ベンチャーは毎回、ゼロスタート。同じことに取り組むとしても、前回の担当者が社内に残っていないケースもままあります。引き継ぎがないことも多いので、自分で前回のやり方を探るか新たに構築するしかありません。私は次、この同じ案件を他の人がゼロベースで引き継ぐのはナンセンスだと思うので、今回のやり方の手順、次回の申し送りを記録に残しておきます。万が一、自分が退職したとき、後任者が少なくとも自分と同じレベルから仕事をスタートできれば、会社にとってもプラスになると思うからなのですが、このことを評価されることは残念ながらありません。自分なりの美学というか、ただの自己満足ですね(笑)。

 

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インデックスも綺麗に貼って、誰が見てもわかりすくしたいタイプです(笑)

 

<他部署との連携・調整方法>
・役所においては、まずは各部門の同じ役職者同士が戦う
・部門長同士がまず話をつける
・担当者が部外の責任者に直接話をする

 

例えば役所。自部門で何か、今までにない新しいやり方なり施策を取り組むときのこと。係員(平社員のこと)である私は、他部門(例えば管理部門)の係員としか業務の話をすることができません。そのため、まずは同じ序列の人間同士が議論を戦わせ、話がつかなかった場合は、係長同士で話してもらいます。そこでも話がつかなければ、課長補佐、課長などへと議論の玉が流れていくのです。この体験は個人的には非常に衝撃的でして、あるとき課長に聞きました。

 

私「なんで下から上げないと行けないんですか?課長同士が話をつけていただいた方が、断然話がスムーズじゃないですか?」

課長「だって、それがルールだから。」

 

あ、なるほど、それがルールなんですね!(♡)というわけで、事あるごとに係員同士は不毛な戦いを繰り返し、その連鎖は意思決定者まで続くのでした。(これも省庁の中の部門で変わる可能性があります)

 

大企業の場合は、部門長同士が話をつけた上で下に話を下ろしてくれたり、自分が企画の責任者だった場合は、他部署の部長に直接相談にいく、というやり方をしていました。メーカーの場合、縦割りというか部門、工場ごとに文化が異なるので、相手の懐にいかに飛び込めるかが業務遂行の肝と言っても過言ではありません。初めはだいたい相手にされない(電話しても忙しいといって切られてしまう・・涙)のですが、先方部署(だいたい地方)に出張・訪問して、企画の意図を説明し、酒を飲み、己を開示して受け入れてもらいうことが大事。一度その関係が構築されればそれが揺らぐことはほとんどなく、どんなに忙しい現場でも話が早く進むようになります。別件でその土地に出張したことがあとからわかると、「なんで連絡してこないんだ、水臭いじゃないか!」と怒られました。はい、すみません。

 

ベンチャーの場合は(といってもこれは業界を代表する特質にはなりませんが)、スピードが重要なので担当者が直接、上長や関係者と話をつけます。ここが至ってシンプルなのでよいと思います。他方、大企業のように関係構築が積み上がらない印象を個人的には持っています。一つの仕事がうまく運び、信頼関係が築けたと思っても、別の仕事ではゼロリセット。それはそれ、これはこれ、といった具合です。いいことも悪いことも後を引きずらず、中途入社者で成り立つ組織構成上、ある意味自然なことかもしれません。

 

<報酬に対する考え方>
・苦痛に対する対価(役所)
・社歴に応じた報酬(大企業)
・やりたいことをやった対価(ベンチャー

 

役所は何かと、なんだかなあと思う仕事が山積みです。公務員の仕事を揶揄して9時5時、なんて言葉もありますが、中央省庁の5時は午前5時。長時間労働が常態化しています(最近はわかりませんし、省庁によってこれも大きく異なります)。もちろん、仕事に対する誇りがあるからこそ頑張れるのですが、報酬は苦痛に対する対価という考え方があるのも事実です。

大企業の場合は、ある程度年齢や社歴で報酬のレンジが決まります。年功序列ですね。いろいろな報酬体系を経験しましたが、組織としてはこれが一番、管理のコストが楽なんだろうと思いました。

ベンチャーの場合は職務に応じた報酬で、年齢はあまり関係ありません。どちらかというと、会社にジョインしたタイミングも重要。自社への功労者を評価する傾向が強いかもしれません。製造業にあるようなベースアップもあまり期待できないので、入口(入社時の条件交渉)が大事と言えます。ここに納得感がある場合もそうでない場合もあり、意見がわかれます。

 

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他にも、役所や大企業にいたときは、タイムカードを切る瞬間でオン・オフをすっきり切り替えましたが(業務後に仕事のメールを見ることは100%ない)、ベンチャー企業で働くようになってからは、業務後はもちろん、夏休みも仕事のPC・ケータイを持ち歩き、常にチェック。何かあればすぐ反応できるという安心感がありつつも、どこにいても仕事がそばにあります。

人脈についても、以前は仕事とプライベートで完全に分けていましたが、今ではそこの垣根はありません。なんとなく、働き方が変化する今の時代にあっては、仕事との向き合いかたも人付き合いも、シームレスになっていくのだろうと思っています。どれが正しい、正しくないはなく、自分がどこに適合していきたいか、なんでしょうね。

 

以上、いくつかの価値観の違いを振り返ってみました。
異論・反論、共感などありましたら、ぜひ、コメントでお寄せいただけたら嬉しいです。それぞれの環境で学んだ価値観・やり方をうまく取り入れながら、心地よい働き方を模索していきたいと思います。

 

長文にお付き合いくださり、ありがとうございます!