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日々、感じたことをつづる日記です

「業界レク」のすすめ

気がつけば早くも12月!こういう機会でもないと、なかなかブログを更新するモチベーションにつながらないので、今年も「広報マーケティングアドベントカレンダー」に参加することにしました。これは、12月16日(日)分となります。

一昨年参加して以来、今年で3回目。初めて参加した2年前は、PRプランナー3次試験の受験対策について、昨年はベンチャー広報担当は自身による情報発信も大事という体験、そして、今年はメディア向けの「業界レク」を実施してみて、良かったと思うことをご紹介しようと思います!

adventar.org

 

「業界レク」という言葉で、どんなものを思い浮かべますか?自分もふと気になって検索してみましたが、どうやら一般用語ではなさそう。スマホアプリを受託開発するB2B企業だった前職では、リード獲得のために、クライアントに登壇してもらうなどして、営業目的の業界レクを開催していました。今回は、メディア向けに行う業界解説のレクチャーを想定してご紹介します。

大企業であれば、年に一度、メディアやアナリスト向けに経営戦略説明会などを行い、そこで自社の戦略と一緒に触れることがあったりします。そんなわけで、既に取り組まれている方もいらっしゃると思いますが、まだという方向けに参考になればと思い、ご紹介してみます。

企画の背景
当社はいわゆるFintech業界に属する企業ですが、その事業は多岐にわたっています。PFM(Personal Financial Management)=自動家計簿・資産管理のサービスであったり、ビジネス向けのクラウドサービスであったり、仮想通貨関連のビジネスであったり。それぞれの事業ごとに市場があり、プレーヤーがあり、お客さまがあります。

そして、メディア側としても、これを業界全体でカバーするような専門紙・誌もあれば、経済紙であれば主だったものだけを扱ったり、仮想通貨であれば経済紙・誌でも主だったものをカバーしつつ、それ単体の専門媒体も存在します。そのため、媒体ごと(もっというと記者ごと)に必要としている情報が異なり&オーバーラップしたりということが起きています。ということで、今回はまず、総論としてFintech業界全体を解説する会を企画・実施し、以降、個別業界ごとにその業界に関する会を企画しました。

業界レクを行う狙い
いくつかありますが、主に記者に対して、

・業界について理解を深めてもらう
・業界における自社の立ち位置を知ってもらう

などのほか、広報部門として、

・メディアとのご挨拶や情報交換を行う
・何か困ったときに相談してもらえるような関係を築く

などがあります。

当社はいわゆるベンチャー企業に所属していますが、業界内の動きが速く、規制当局の動きもあったり(事業によっては)、自分が記者だったらキャッチアップが難しいだろうと思います。まして、業界自体が新しい企業であれば、なおのこと。そういったとき、新任記者にとって業界を総括してくれる場があればいいですよね。既にその業界を見ている記者にとっても、業界内の動きをキャッチアップする場として活用してもらうことができれば、開催する意味があります。

業界レクを行うメリット
狙いともかぶりますが、そのほかの観点として、

・一度に複数のメディア(記者)と会える
・どんなメディア(記者)が自社やその業界に興味をもっているかわかる
・資料づくりで広報担当自身が業界の理解を深められる

などがあります。参加した記者からは、次回以降も情報提供を求めるという声を多くいただけたので、次回以降の効果的な情報提供につなげたいと思います。 

業界レクを行うデメリット
業界レクだから、ではありませんが、

・場の運営はそれなりに工数がかかる(資料づくりやオペレーション)
・自社内に会場がなければ、会場費がかかる(可能性もある)
・タイミングによって集客が左右される

といったことがありましょうか。

業界レクを行ってみて
レクへの参加をきっかけに、業界について寄稿のオファーをいただいたり、個別取材につながるケースがいくつかありました。当社は業界の中で既に認知されているという恵まれた環境であることを差し引いても、レク開催による有益な効果だったと言えます。また、普段、なかなかたくさんの記者と接点を持つことは難しいので、ご挨拶したり情報交換できたことも収穫でした。広報部内でも、こういった取り組みを定期的にやりたいねと話しています。

このほか、レクきっかけで記事化につながったものがいくつかあり、特に仮想通貨関係はいくつかの記事が掲載されました。こんなにも・・というのは想定外でしたが、これはひとえにニュースやネタを探している仮想通貨業界特有のものと言えそうです。なお、海外メディアからは直接問合せ(メール)も入り、急いで回答したコメントがそのまま引用されてちょっと驚きました(ひやひやしました)。日本における業界の動きは、海外でも関心が高いということなのだろうと想像します。

掲載事例
◆Business Insider
ついに金融庁からも。日銀、経産省...マネーフォワードに集まる霞ヶ関人材
https://www.businessinsider.jp/post-180931

ITmediaビジネス
マネーフォワード、仮想通貨交換サービス2019年春の開設目指す
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1812/04/news077.html

◆仮想通貨Watch マネーフォワード、2019年に仮想通貨交換業者登録を目指すなど今後の展開を語る
https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/event/1157266.html

◆コインテレグラフ
マネーフォワード:仮想通貨交換サービス 2019年第1四半期の開始目指す
https://jp.cointelegraph.com/news/money-forward-to-establish-crypto-exchange-service-in-1q-2019

◆CoinHack
マネーフォワードが仮想通貨取引所の詳細を発表。来年3月スタートを目標に。
https://coinhack.jp/media/articles/2784

Bitcoin.com(海外メディア)
Japan’s Money Forward Announces Details of Upcoming Cryptocurrency Exchange
https://news.bitcoin.com/japans-money-forward-cryptocurrency-exchange/

Bitcoin Exchange Guide(海外メディア)
Money Forward Of Japan Prepares To Open New Crypto Exchange With BTC, ETH And BCH Pairs
https://bitcoinexchangeguide.com/money-forward-of-japan-prepares-to-open-new-crypto-exchange-with-btc-eth-and-bch-pairs/

◆The ccpress(海外メディア)
Popular Budgeting App Maker— Money Forward Financial Inc. Announce Plans to Launch Crypto Exchange
https://theccpress.com/popular-budgeting-app-maker-money-forward-financial-inc-announce-plans-to-launch-crypto-exchange/

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レクの様子

当社は業界内でもある程度の認知度があるので、今回、たくさんの記者に集まっていただくことができました。ただ、レクを企画し始めた数年前は、数人しか集まらなかったという経験もしています(当時を知る社員談)。

ですので、業界での認知度がまだなかったり、初めて取り組む場合には、記者の集客は一旦気にせず、むしろ、来てくれる記者との関係を築くことを大切にするという観点で取り組むのが手かなと思います。そういう、創業間もないころから関係を築いている記者は、担当ではなくなった後も応援してくれたり、ファンでいてくれたりします。

Public Relationは、終わることなく続く関係性づくり。プレスリリースを書いて自社のネタを提供するというアプローチとは別に、業界のことを知ってもらい、記者に役立ててもらうという「場」をつくるやり方もぜひ、活用してみてください。