「オプションB」のすすめ
今週のお題「読書の秋」
フェイスブックのCOO:シェリル・サンドバーグと、「GIVE & TAKE」の著者であり心理学者のアダム・グラントの共著、「オプションBー逆境、レジリエンス、そして喜び」。この本を紹介する、こちらのブログを読みました。
人生に手応えを感じられない今日この頃。ちょっと体調も優れず、帰宅するとぐったりとソファに横たわり、眠り込んでしまう日々。悶々と自問自答する日常には、どこにも出口がないように感じられ、言いようのない悲しみと閉塞感が頭を支配していました。そんな中にあって、この書評が一筋の光明のように舞い降り、手に取ってみることにしました。
文学部出身ながら、本を読むのが大の苦手。集中して本と向き合うことに慣れませんが、序章を読んだだけで胸がいっぱいに。読み進めずにはいられません。
シェリル・サンドバーグが最愛の夫を突然失うところから始まるお話。友人であるアダム・グラントの支えを得ながら、その大きな喪失感にいかに向き合い、乗り越えてきたかを記しています。オプションBとは、オプションAを選べないときの次善策のこと。人生は必ずしも思い通りにはならない、だからこそ、オプションBを使い倒そうと筆者は言います。この本はストーリー展開の中に、心理学的な研究事例も引用されており、悲しみのメカニズムを客観的に解説してくれているところが参考になります。
まだ、途中までしか読んでいませんが、印象に残った点がこちら。
『私たちは人生のネガティブなできごとをさまざまな方法で処理するうちに、レジリエンスの種まきをする。心理学者のマーティン・セリグマンは、人が失敗や挫折にどのようにして対処するかを長年研究し、「3つのP」が苦難からの立ち直りを妨げることを明らかにした。すなわち自責化(Personalization:自分が悪いのだと思うこと)、普遍化(Pervasiveness:あるできごとが人生のすべての側面に影響すると思うこと)、永続化(Permanence:あるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと)である。』
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何かつらいできごとが起きた時、「自分ひとりのせいではない、すべてこういったことにつながるわけではない、ずっと続くわけではない」と思えることが、心の回復に必要というメッセージ。
なるほど、確かに。
そう考えてみると、これらすべて、日頃から逆のことをやりがちです。むむ、なぜでしょうか。「自己肯定感の低さ」がそうさせるのか、はたまた、レジリエンスがないからなのか。私にはその因果を知る由もありませんが、本書から学ぶことは、レジリエントにしなやかに生きるためには「3つのP」を頭から追い出すことが大事のようです。
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絶望から立ち上がり、回復する力=レジリエンス。私がこの言葉を初めて耳にしたのは、1-2年ほど前でしょうか。ちょうど、アドラー心理学がブームになっていた頃です。しなやかで柔軟でしなっても折れない「たおやかな心」、そんなイメージでした。大学のOB会が運営するサロンでこの話を聞いて以来、自分に足りなくて、必要なものだとずっと思っていました。本書を読み進める中で、そのヒントを少しでも学んでいければと思っています。
そういえば、この本(原書)が出た頃も、何かに行き詰っていたのでしょうか。自分のfacebookの投稿を見た、アメリカに住む友人がこの本をすすめてくれていたのでした。普段、あまりfacebookに弱音は吐かない(つもりだった)ので、何気ない投稿だったはずなのですが、友人の目にはきっと、何かしらを求めて彷徨う私の心が見えていたことでしょう。情けないですね、でも、ありがたいことです。
また明日から新しい一週間が始まります。最善でなくても、次善の策を選びとっていけるよう、とりあえず頑張ろうと思います。